AI ✕ CRM を活用したECアプリ収益改善

Appierのデータインテリジェンスプラットフォーム「AIXON(以下アイソン)」は、AI搭載のオーディエンス予測・分析ツールで、フォーマットの異なる企業が保有するデータと、Appierが保有する、アジアの人々の約20億のデバイスを通じて収集した消費者の行動や嗜好に関するデータを含む独自のCrossXデータベースを統合できます。さらに、このデータを、AI技術を利用してオーディエンスの予測・分析に利用することが可能です。企業はアイソンを使って特定のオーディエンスデータを出力し、自社のCRMシステムと連携したり、Appier CrossX プログラマティックプラットフォームなどの広告配信プラットフォームを通じてマーケティング施策を展開することができます。

日本有数のハンドメイドマーケットを運営するGMOペパボ「minne (ミンネ) byGMOペパボ」様は、Appierの「アイソン」を導入しています。minne様が抱えていた課題とAIの活用による新たな取り組みの様子、そしてアイソンの使い心地など、コメントを交えて説明します。

minneとは

「minne」は、現在約45万名の作家による837万点以上の作品が販売・展示されている、国内最大のハンドメイドマーケットです(2018 年7月末時点)。「minne」では、多くの方がハンドメイドと出会い、その魅力に触れられるよう、全国各地の百貨店での販売イベントなどを実施しています。これまで同社のモバイルアプリは969万以上ダウンロードされており、ユーザーの年齢、興味も多様です。

マーケティング上の課題

minneのサイトで紹介される作品数、会員数ともに年々増加しています。同社ではCRMシステムを導入し、会員の購買活動やサイト利用に関するデータを収集していましたが、会員のエンゲージメントや購買促進などのマーケティング施策はマーケターのこれまでの経験値に依存する部分が多かったとのこと。

同社のマーケティング責任者は「新しい知見を得るためのデータ活用は十分進んでいませんでした。AI搭載のアイソンを使うことで、これまで収集したデータから会員の購買傾向や嗜好に関するインサイトが得ることができるのではと考えました。同時に会員様と作品を効果的に結びつけ、購買までナビゲートできればという気持ちで導入しました」と話しています。

minneのビジネスモデルは10%の販売手数料で成り立っています。サイトの設計や様々なオンライン、オフラインのイベントを通じて作品の販売促進を行うことで、売買金額と取引量を増加させる必要があります。minneは、これまで収集してきたCRMやアプリでの行動データを元にアクティブユーザーを予測、リーチすることで売買金額、取引量を増加させることを目指して、AIを活用することを決定しました。

Appierの提案

そこでAppierのエンタープライズ・ソリューションチームは、既存顧客向けのリエンゲージメント施策と新規顧客開拓の2つの提案を行いました。

  1. リエンゲージメントによるクロスセルの促進

未購入商品カテゴリーの購入を促すクロスセルキャンペーンを展開。アイソンの「コンバージョン予測ブレイン」を活用し、CRMデータを元に継続購入率の高いカテゴリー(今回は食品)を紹介するプッシュ通知を実施しました。結果、クロスセルへの誘導に有効性を確認出来ました。minneの担当者は「minneのサイトでのリピート購入が多いがクロスセルができていないカテゴリーを中心にAIを使って相関を見つけ出しました。それらのユーザーに対してプッシュ通知を行いました」と語ります。結果としてアイソンが予測したグループの反応が高く、クロスセルの誘導に有効であるという結果が出ました。

 

2. 新規ユーザー獲得

新規ユーザー獲得のアプリインストール広告キャンペーンを企画。アイソンの「コンバージョン予測ブレイン」を活用し、CRMから取得した購入意欲の高いユーザーを抽出しました。minneユーザーを教師データにしてminneのアプリを利用したことのない消費者層を広告媒体のシステムで抽出し、広告を展開しました。

今回はアイソンの効果を計測するため、いくつかのセグメントグループを設定し、比較を行いました。結果、アイソンで予測したユーザーデータを活用したセグメントでの新規インストールの数が他のセグメントよりも高くなりました。

マーケター主導でデータ抽出・分析ができるのがアイソンの強み

データサービスの大手であるGMOペパボのグループ会社には、データの専門家が社内にたくさんいます。しかし彼らは会社全体のリソースであるため、minneのマーケティングプロジェクトに迅速に対応できるわけではありませんでした。マーケティング担当者は、「アイソンを使うことで彼らの支援を借りることなく、自分たちだけで気軽にオーディエンスデータの抽出分析が出来ました。」とアイソンの操作性についてコメントしています。AI搭載のアイソンは、「コンバージョン予測ブレイン」の他、7種類の分析軸(ブレイン)を提供しています。マーケターは、自社の施策、データセットの状況に応じて、ブレインを選択するだけで、データから施策に適したオーディエンスを抽出します。「アイソン」は、分析、抽出における理由も提示します。アイソンがAIを使ってデータを学習するだけでなくマーケターはマーケティングにおける「勝ちパターン」を知ることができ、次の施策に活かすことが可能です。

オーディエンスのセグメントに重要な、「精度の高い予測」を実現するために

執筆者:ジュンデー・ユー / チーフ・ビジネス・オフィサー

企業がこれまで実施してきた不特定多数を対象にした広告やマーケティング・キャンペーンは、過去のものになりつつあります。企業は、対象となる消費者のことを知らなければ銀行ローンや衣料品などをオンラインで販売することは困難です。企業の多くは、最適なオーディエンスを特定することがマーケティング施策のROI(費用対効果)を最大限に高めるために大切なことか、実感していることでしょう。

オンラインの閲覧状況の分析や顧客のセグメンテーションは、とても面倒で手間のかかるプロセスです。企業では経験に基づく推測や単純なデータ分析ツールの活用など、さまざまな取り組みが行われています。これらは、少数の次元を分析する場合には有効ですが、複雑なデータや相当数の次元を分析する場合、真の難題に直面することになります。

ターゲット・オーディエンスを特定する強力なAIツールとは

現在、マーケターが利用できる最もエキサイティングなツールの一つに、人工知能(AI)によるオーディエンス・セグメンテーション予測があります。企業は、予測分析の大分類としてオーディエンス・セグメンテーション予測を活用することで、KPI(重要業績評価指標)にかかわらず、販売量、クリック数、インストール率などにコンバージョンする可能性が最も高いターゲット・オーディエンスを特定できるようになります。

台湾で最も影響力のある雑誌の一つ、コモンウェルスマガジンは、Appierのアイソンプラットフォームが備える強力なオーディエンス・セグメンテーション予測機能を活用し、劇的な成果を挙げました。過去にリーチできなかった貴重な読者を獲得しただけでなく、300%以上のROAS(広告費用対効果)を達成し、同雑誌の購読および購入は、KPI比で404%増加しました。

最先端のオーディエンス・セグメンテーション予測ツールは、行動パターンに着目し、デモグラフィックデータと組み合わせて傾向を特定することで、最も有望なリードを抽出します。その効力は、顧客セグメンテーションでさらに発揮されます。データを分析し、ターゲット・オーディエンスを見つけ、拡大できるようにレコメンデーションを提示することも可能です。

AIを搭載したアイソンプラットフォームには、以下のようなことが可能です。

  1. 正確なオーディエンス像を把握する

多くの人が複数のプラットフォームでコンテンツを利用しており、企業がウェブサイトやモバイルアプリといった異なるデータソースの統合に苦労しているように、顧客の行動を統一的に把握することは困難です。また、データが断片的、非連続的なこともあります。

アイソンは、異なるプラットフォームおよび情報源からのデータを一元化させることができます。ユーザー特性に関するデータは、Appierが独自に蓄積してきたアジア地域の20億を超える匿名デバイスプロファイルと重ね合わされ、各顧客セグメントのより詳しい状況を把握することができます。高精度なデータ分析により、より正確な予測とセグメンテーションが可能になり、サービスを乗り換える可能性の高い顧客、他人に紹介する可能性の高い顧客、購入する可能性の高い顧客などを判別することができます。さらに、最も収益をもたらす顧客を明らかにすることも可能です。

  1. よりタイムリーな販売やコンバージョンを促進する

購入サイクルの中で、より効果的に顧客にリーチできるのは、顧客に購入意欲がある時です。オーディエンス・セグメンテーション予測は、最も受容的なタイミングにある顧客を抽出することができ、販売やコンバージョンを促進することが可能です。

  1. 新しい市場を開拓する

オーディエンス・セグメンテーション予測技術は、企業の目的に基づいてデータを分析することで、新しい市場を開拓し、その中でも絶好の機会を特定することができます。分析した行動データならびにデモグラフィック・データから導き出されるインサイトは、新しいターゲット・セグメントの特定にもつながります。新しいカテゴリーの潜在顧客をターゲットにしたい場合、AIがプロファイルを学習し、市場セグメントをさらに細分化することができます。

一例として、不動産情報サービス事業を展開している日本のLIFULLがあります。同社は、豊富なCRMデータを保有していますが、Appierと協力することで、現在、膨大なオンラインおよびオフラインの不動産データベースを統合、分析しています。LIFULLは、アイソンを利用して大量のデータを有効活用し、より効果的なオンライン・マーケティング・プログラムの実践や新しい革新的なビジネスの開拓に役立てています。

4 離脱する可能性のあるユーザーを特定し、オンラインでリエンゲージメントする

アイソンの離脱予測機能により、過去にサービスを乗り換えた顧客、または離脱した顧客のパターンや傾向を特定できます。そのデータに基づき、既存顧客がサービスを乗り換える、または離脱する可能性を予測することができます。また、得られたインサイトは、同じセグメントの顧客に対するフォローアップやリエンゲージメントに活用できるため、マーケティングチームや販売チームにとって有用です。

  1. 広告主にとって最適なオーディエンスを見つけ、収益を高める

行動やデモグラフィックに基づいて顧客をセグメンテーションすることで、広告主にとって最適なオーディエンスを見つけることができます。つまり、異なる顧客セグメントに合わせてマーケティング、レコメンデーション、プロモーションを調整することが可能になります。

最後に:

Appierのオーディエンス・セグメンテーション予測ツールは、マーケティング活動を強化するために容易に利用することができ、既存の技術を補完することにもなります。予測マーケティングやパーソナライゼーションに取り組んでいる、または一般的なマーケティング活動を強化したい企業には、アイソンのオーディエンス・セグメンテーション予測技術は、ターゲット・オーディエンスの特定とマーケティングの実践にあるギャップを埋めることができます。

アイソンはオーディエンスのデモグラフィック・データ、行動データ、興味、キーワーなどのインサイトを提供します。細分化されたデータを活用することで、有望な見込み客グループを抽出し、マーケティング施策を実施することでコンバージョン率を高め、さらには販売量の増加に導くことが可能になります。

執筆者:ジュンデー・ユー、チーフ・ビジネス・オフィサー

AppierのAI搭載のデータ・インテリジェンス・プラットフォーム「アイソン(AIXON)」を含む事業を統括しています。Appier入社以前は、アプリに関する市場データと分析ツールを提供するApp Annie社のアジア太平洋最高業務責任者を務めました。インターネット分野のスタートアップ企業で10年以上の経験を持ち、App Annieの同地域におけるセールスの第一人者として事業展開を大いに貢献しました。