AI ✕ CRM を活用したECアプリ収益改善

Appierのデータインテリジェンスプラットフォーム「AIXON(以下アイソン)」は、AI搭載のオーディエンス予測・分析ツールで、フォーマットの異なる企業が保有するデータと、Appierが保有する、アジアの人々の約20億のデバイスを通じて収集した消費者の行動や嗜好に関するデータを含む独自のCrossXデータベースを統合できます。さらに、このデータを、AI技術を利用してオーディエンスの予測・分析に利用することが可能です。企業はアイソンを使って特定のオーディエンスデータを出力し、自社のCRMシステムと連携したり、Appier CrossX プログラマティックプラットフォームなどの広告配信プラットフォームを通じてマーケティング施策を展開することができます。

日本有数のハンドメイドマーケットを運営するGMOペパボ「minne (ミンネ) byGMOペパボ」様は、Appierの「アイソン」を導入しています。minne様が抱えていた課題とAIの活用による新たな取り組みの様子、そしてアイソンの使い心地など、コメントを交えて説明します。

minneとは

「minne」は、現在約45万名の作家による837万点以上の作品が販売・展示されている、国内最大のハンドメイドマーケットです(2018 年7月末時点)。「minne」では、多くの方がハンドメイドと出会い、その魅力に触れられるよう、全国各地の百貨店での販売イベントなどを実施しています。これまで同社のモバイルアプリは969万以上ダウンロードされており、ユーザーの年齢、興味も多様です。

マーケティング上の課題

minneのサイトで紹介される作品数、会員数ともに年々増加しています。同社ではCRMシステムを導入し、会員の購買活動やサイト利用に関するデータを収集していましたが、会員のエンゲージメントや購買促進などのマーケティング施策はマーケターのこれまでの経験値に依存する部分が多かったとのこと。

同社のマーケティング責任者は「新しい知見を得るためのデータ活用は十分進んでいませんでした。AI搭載のアイソンを使うことで、これまで収集したデータから会員の購買傾向や嗜好に関するインサイトが得ることができるのではと考えました。同時に会員様と作品を効果的に結びつけ、購買までナビゲートできればという気持ちで導入しました」と話しています。

minneのビジネスモデルは10%の販売手数料で成り立っています。サイトの設計や様々なオンライン、オフラインのイベントを通じて作品の販売促進を行うことで、売買金額と取引量を増加させる必要があります。minneは、これまで収集してきたCRMやアプリでの行動データを元にアクティブユーザーを予測、リーチすることで売買金額、取引量を増加させることを目指して、AIを活用することを決定しました。

Appierの提案

そこでAppierのエンタープライズ・ソリューションチームは、既存顧客向けのリエンゲージメント施策と新規顧客開拓の2つの提案を行いました。

  1. リエンゲージメントによるクロスセルの促進

未購入商品カテゴリーの購入を促すクロスセルキャンペーンを展開。アイソンの「コンバージョン予測ブレイン」を活用し、CRMデータを元に継続購入率の高いカテゴリー(今回は食品)を紹介するプッシュ通知を実施しました。結果、クロスセルへの誘導に有効性を確認出来ました。minneの担当者は「minneのサイトでのリピート購入が多いがクロスセルができていないカテゴリーを中心にAIを使って相関を見つけ出しました。それらのユーザーに対してプッシュ通知を行いました」と語ります。結果としてアイソンが予測したグループの反応が高く、クロスセルの誘導に有効であるという結果が出ました。

 

2. 新規ユーザー獲得

新規ユーザー獲得のアプリインストール広告キャンペーンを企画。アイソンの「コンバージョン予測ブレイン」を活用し、CRMから取得した購入意欲の高いユーザーを抽出しました。minneユーザーを教師データにしてminneのアプリを利用したことのない消費者層を広告媒体のシステムで抽出し、広告を展開しました。

今回はアイソンの効果を計測するため、いくつかのセグメントグループを設定し、比較を行いました。結果、アイソンで予測したユーザーデータを活用したセグメントでの新規インストールの数が他のセグメントよりも高くなりました。

マーケター主導でデータ抽出・分析ができるのがアイソンの強み

データサービスの大手であるGMOペパボのグループ会社には、データの専門家が社内にたくさんいます。しかし彼らは会社全体のリソースであるため、minneのマーケティングプロジェクトに迅速に対応できるわけではありませんでした。マーケティング担当者は、「アイソンを使うことで彼らの支援を借りることなく、自分たちだけで気軽にオーディエンスデータの抽出分析が出来ました。」とアイソンの操作性についてコメントしています。AI搭載のアイソンは、「コンバージョン予測ブレイン」の他、7種類の分析軸(ブレイン)を提供しています。マーケターは、自社の施策、データセットの状況に応じて、ブレインを選択するだけで、データから施策に適したオーディエンスを抽出します。「アイソン」は、分析、抽出における理由も提示します。アイソンがAIを使ってデータを学習するだけでなくマーケターはマーケティングにおける「勝ちパターン」を知ることができ、次の施策に活かすことが可能です。

企業が生涯価値(LTV)の高い顧客の囲い込みへ戦略を変更すべき理由

Appierは2017年6月に、CrossX プログラマティック・プラットフォームで提供している「CrossXターゲティング」の機能を強化し、LTV(顧客の生涯価値)最適化を実現しました。

AppierのCrossXプログラマティック・プラットフォームに搭載されている機械学習・深層学習エンジンを強化することで、顧客企業のデータおよびAppierが保有するデータベースから、LTV(顧客の生涯価値)が高いユーザーの抽出およびグルーピングを自動化させると同時に潜在顧客の分類・抽出や購買予測の精度を高めることができました。

Appierがプログラマティックの領域においてユーザーセグメント及びターゲティングの機能を強化した背景には、消費者のライフスタイルの多様化、デジタルメディアの普及、加えて個人情報の取り扱い規制強化により、消費者の行動パターン把握が困難になっていることがあげられます。さらに最近の傾向として、消費者1人あたりの利用デバイス数が増加し、一方でその利用の仕方がバラバラなため、広告主が個々のユーザーへリーチすることががより複雑になっていることもあげられます。

また、ブランドやEC業界では、マーケティングの指標がトライアル商品の提供やクーポンなどを通しての初回接触(新規顧客獲得)だけでなく、より長期的な関係性を重要視するLTVへシフトしています。広告主は、新規顧客の開拓を行いながら、長期にわたり継続的に商品購入してくれる顧客との関係も構築したいと考えており、プログラマティック施策に対しても、従来の画一的な「趣味嗜好」で区分したターゲティングではなく、「人」に対するマーケティングのニーズが高まっているといえます。

ディープファネルの最適化

そこでAppierは、LTVが高いユーザーの行動パターンをAIが精度高く分析・抽出することで「ディープファネルの最適化」を可能にする技術を開発し、この度提供することとなりました。

「ディープファネルの最適化」とは、消費者のインターネット上での振る舞いを分析すること。Appierは、AIによりこの「ディープファネルの最適化」を行い、抽出した「オーディエンス(人)」に対し、メディアやデバイスを横断して最適な広告配信(クロスデバイスターゲティング)を実施します。これは独自のAIに加えて、Appierが創業以来構築してきた消費者のデバイス所有および利用に関するデータによるCrossXデータベースおよびクロスデバイスキャンペーンの豊富な経験が可能にしています。

予測モデルを使った、高ライフタイムバリュー顧客の獲得

Appierでは、AIを駆使することでディープファネルの最適化を行い顧客の行動を分析し、「LTV予測モデル」を構築します。それをマーケティングキャンペーンに適用することで、膨大なルールからパターンを見つけ出し、このLTV予測モデルの精度を上げていきます。上記のキャンペーンから抽出した高LTVユーザーの分析を行うことで、獲得の勝ちパターン(LTVの要因のランク)を見つけ出し、そのパターンを予測モデルに反映し、繰り返し学習を進め、さらに精度を上げます。

つまり、キャンペーンの実施ー>キャンペーンデータにAIによる予測モデルを適用ー>ランクデータ(再学習データ)の抽出といったプロセスを繰り返すことで、目的に合致したユーザーを抽出することができます。

これはひとつの事例ですが、化粧品・健康食品の製造および販売を行う、日本有数の通信販売企業において、2017年10月から2018年3月の6ヶ月間、この機能を強化した「CrossX ターゲティング」をテスト導入しました。その結果、広告キャンペーンにおいて、主要なSNSベンダー数社の施策と比較して、月平均の1ユーザー当たりの平均購入金額が最大3倍となり、LTVスコアは約60-90%程度高くなりました。これは、ユーザーの動きや購買トレンドをAIを使って分析し、その結果をクロスデバイスを通じた季節限定のキャンペーン施策などに反映させることで、購入機会を的確に捉え、収益に貢献できることを示しています。

また、Appierが4月25日に発表した「日本版インターネット消費者動向調査」において、企業は単一のデバイスを通じてのマーケティングキャンペーンよりもクロスデバイスでのキャンペーンのほうが3倍以上高いコンバージョンを達成するという結果が出ています。

消費者のデバイス利用を理解した上で、ベストなタイミングで最適なメッセージや広告を配信したいブランド企業やEC事業企業にとってディープファネルの最適化による高LTV顧客の獲得は、取り組む価値のある施策です。

AIがメールマーケティングを変革する

企業のカスタマーエンゲージメントと製品プロモーションといったマーケティングにソーシャルメディアなどのデジタルチャネルを活用することはもはや当たり前になっている。一方で電子メールのような「旧式」のツールは見落とされがちだ。しかし、人工知能(AI)を活用することで、メールマーケティングが有望なマーケティングツールとして見直され始めている。

すぐに反応が得られるソーシャルチャネルに比べて、メールマーケティングは購読者の新規開拓と維持が難しく、メールの開封率とクリックスルー率(CTR)が低いと考えられている。

いまのところメールマーケティングのパフォーマンスを向上させるためには、割引クーポン、件名変更、あるいは送信頻度の調整といった改善が一般的な方法だと考えられている。しかし、これらは、読者がコンテンツに興味を示すかどうかを同じ人間として推測できるはずだという考えの上に成り立っており、マーケターが望む反応を引き出すまでには、数多くの試行錯誤が必要になるだろう。

一方、AIを利用すれば、膨大なデータの中から類似顧客を見つけ出したり、既存顧客に対する理解を深めたりすることができる。さらに、綿密にセグメンテーションを行うことで、顧客の関心や行動を予測することも可能になる。そうした取り組みを通じて、メールマーケティングにおける最も厄介な課題のいくつかを解決することができるのだ。

AIを活用したセグメンテーションによる開封率の改善

企業からのメールニュースに読者が興味を示さないのには理由がある。デジタルビジネスのコンサルティング会社であるEconsultancyによれば、2017年にアジア太平洋圏においてメールの宛先以外のコンテンツをパーソナライズしたマーケターはわずか21%で、そのうち76%がメールマーケティングのパーソナライゼーションの強化に意欲的だったという。さらに、受信者名と他のデータポイントを両方利用することで、開封率が2倍になる可能性があることも報告されている。現在、AIにはユーザーがサイト内で閲覧するコンテンツをはじめ、あらゆるユーザーデータの分析が可能であり、最も頻繁に使用されるキーワードを抽出してオーディエンスの最大の関心を特定し、セグメンテーション予測を作成できる。

これらの実用的な判断材料を得られれば、オーディエンスの好みやニーズにより近いコンテンツの開発や特典の提供が可能になる。AIはキーワードをいくらでも特定できるため、多くのタッチポイントでオーディエンスとエンゲージメントを図れるようになる。そのうえ、過去のキャンペーンデータを基に新キャンペーンに高い反応を示しそうなオーディエンスを予測し、それに応じてメール機能をカスタマイズすることもできる。

例えば、台湾の某大手オンライン出版社は、すべての読者に同じメールを発信していたが、高い開封率やCTRを得られなかった。コンテンツや件名に関連性や面白味がないために、受信者の関心を引けなかったためである。この出版社は、AIを使ったアプローチを導入し、 ディープラーニングを活用して読者のプロファイルとオンライン行動を結び付け、年齢や関心といった主要属性を基にプロファイルのセグメンテーションを実施した。このプロセスを通じて、正確な読者層別メールリストを作成し、適切なマーケティングコンテンツを適用できるようになると、開封率が42%、CTRが107%も増加した。

類似オーディエンスの獲得によるユーザーベースの拡大

目的に合致したAIモデルを使うことで、ユーザーのオンライン行動から収集したデータを分析して、既存顧客に「類似」する顧客を見つけ出し、ターゲットを絞った広告開発やリーチの取り組みにも役立てられる。このプロセスは、既存顧客のデモグラフィックデータの分析から着手する。使用するデータは、ウェブサイト、キャンペーン、アプリ、CRM、ソフトウェア、アプリケーション・プログラミング・インターフェースの統合などから収集できる。

AI搭載プラットフォームがそれらの情報と付加的な情報源を特定の規則に従った対応付けや割り当てを行い、見込み客を探し当てる。この貴重なデータセットを利用すれば、不特定多数を対象とするコンバージョンレートの低いメール配信が減り、メールを正確なターゲティングツールとして使用できるようになる。

AI予測による購読者の維持

AI搭載のプラットフォームは、行動パターンに基づいて、離脱する可能性がある購読者を特定する。購読者が離脱の兆しとなる行動を取った場合でも、クーポンなどのとどまる理由を与えれば、ユーザー離れを防ぐことができるだろう。こうした予兆を察知した際は、先ほど紹介した台湾の某大手オンライン出版社は次のようなリエンゲージメント戦略を計画し、実行に移した。

  • 「離脱する可能性がある購読者」を対象とするターゲットメールを作成し、共通点のある顧客層にセグメンテーションを行う。
  • 当該の購読者に限定したメッセー、割引、特典などを提供する。
  • 購読者が行動に移しやすいフォーマットやリンクを使用する。

AIはメールマーケティングを大幅に変革できる。企業はAIを使って顧客の行動傾向や関心を特定することでマーケティングキャンペーンの成果を得るには、コンテンツをどのようにカスタマイズする必要があるかを判断できるようになる。

今注目のデータサイエンティストに求められる条件

ヤオ・ナン・チェン、機械学習サイエンティスト、Appier

ここ数年、企業が保有するデータ量が爆発的に増加しており、データ管理負担の増大やセキュリティへの対応など、ビジネスに様々な影響を与えている。一方、データを収集、分析し、人工知能(AI)テクノロジーの原動力として利用できる企業にとっては、宝の山といえるだろう。

これからもデータは増加し続け、データ分析技術は進化を続ける。データ利用のニーズが高まれば、データサイエンスやデータサイエンティストの需要はさらに増える。私は2013年からデータサイエンス分野で働いているが、Appierにおいてデータサイエンスチームのみんなと日々新しい謎解きに取り組むことが楽しくて仕方ない。

データサイエンティストの実務

データサイエンスを手短に説明すると、データを使用して現実社会における実務問題を解決方法を提示することである。例えばECビジネスのユーザーのデモグラフィックやアプリの使用パターンを基にレコメンデーションをプッシュ通知する、または特定商品の売上減の理由を分析することなどが、AIを活用した業務に含まれる。

データサイエンティストは、問題解決に取り組む際、まずデータの抽出と連結に着手し、そこからパターンやトレンドを分析していく。その後、それを基に予測モデルの構築、インサイトの抽出、PoC(概念実証)による問題解決の方法を検証する。通常、私たちが手掛ける問題は極めて特殊であり、汎用性のある標準的ソリューションといったものはない。そのため、既成概念の枠を超えてさまざまな可能性のあるソリューションを見いだすことが、データサイエンティストに課せられた使命である。

ソリューションの成果は実際にそれを導入してみるまで分からないため、それが期待どおりの成果をもたらさなかった場合、振り出しに戻り最初からやり直さなければならない。しかし、だからこそ、つかみどころのない問題を突き止め、解決策を考え、成果を収めるプロセスにやりがいと達成感があるといえる。

優れたデータサイエンティストの資質

当然のことながら、どんな仕事にも好きな業務とそうでないものがある。データサイエンティストが楽しめない作業の一つはデータクレンジングである。多くの場合、データサイエンティストはエラーや矛盾を含んだ「ゴミだらけのデータ」を収集する。例えば、データが商品の売上激減を示したとしても、機器の誤動作によって正確なデータが収集されなかっただけかもしれない。 データサイエンスは8割がデータクレンジングで、残りの2割はそれについて文句を言うことだという内輪の冗談さえある。それはさておき、データクレンジングは、手間はかかるが重要な作業である。これが適切に行われなければ、インサイトの正確さと信頼性に重大な影響を与える。

どんなに高度な技術を身に付けていたとしても、優れたデータサイエンティストはこうした細部へのこだわりと注意のほかに、事業領域と事業目標に精通していなければならない。データサイエンティストが提供するソリューションは創造的であるとともに、有用かつ実用的なものでなければならない。

最新の研究や調査、分野の動向

優れたデータサイエンティストであり続けるために、機械学習に関する最新の研究や調査を掌握すること、最新トレンドを理解し、特定の問題の解決方法を検索することは重要なタスクといえる。すでに解決されている問題は、わざわざ最初から取り組む必要はない。そのため、日頃から機械学習の進歩や興味分野の研究論文に目を通すようにしている。それと同様に、同僚との議論や、彼らの研究成果の追跡、機械学習のトレンドに関する意見交換も重要である。これは機械学習の最新動向の把握に役立つ。

AIエキスパートの需要増加

残念ながら、データサイエンティストに対する需要の高まりと、機械学習分野での人材供給にはギャップがある。AI分野の職業は最近新しく生まれたキャリアパスであり、必要な専門知識を備えた人材が不足している。また、データサイエンティストの誰しもがビジネスに精通しているわけではないという事実も、このギャップを広げる原因になっている。データサイエンティストの中には学術研究環境で問題解決を図ることには優れていても、ビジネスに関する現実問題の解決には対応できない場合がある。

今日のデータサイエンティストは、常にスキルを磨いていく必要があると実感する。企業や組織にAIやディープラーニングの導入が進むことによって、下位レベルのタスクは自動化され、データサイエンティストたちはより難解な問題に取り組むことになる。多くのビジネスケースに適用できる簡易モデル構築用のツールは成熟化が進み、使い勝手もますます良くなっていくだろう。

近い将来のデータサイエンティストには、問題解決のために特定の情報を活用する方法をもとめられるようになるだろう。AIテクノロジーの複雑化にともない、データサイエンティストは、単純な処理作業や分析作業を自動化ソフトウェアに託し、より抽象的な問題に取り組むことになると予想している。

執筆者:

チェンはAppierの機械学習担当サイエンティスト。機械学習、データサイエンス、データエンジニアリング分野で5年以上、ECビジネス用のレコメンデーションシステムの開発において3年以上の経験を有する。Appier入社以前はYahoo 台湾にてECビジネス用のレコメンデーションシステム、アプリ告知レコメンデーションシステム、セールスボリューム予測のためのモデルチューニングを担当した。

AI 基礎講座:深層学習

あなたが特定のマーケティングキャンペーンのための方法を模索しているマーケターであると想像してほしい。もしあなたがターゲットとしているユーザーの経済力、購買傾向、オンラインショッピングでの行動といった要素を元に市場を簡単に分類できるツールを持つことで、分類されたそれぞれの消費者に向けたアプローチが可能になり、最大のコンバージョンを獲得するための効果的なメッセージを配信することができたらどうだろうか?これらは深層学習によって導き出せることのひとつだ。

深層学習は、人間の脳の情報処理の方法を真似るかたちで開発した最先端のニューラルネットワークの一つであり、バラバラで抽象的なデータからゴール指向のモデルを抽出する方法のことだ。複数階層のニューロンを使って情報を分析する点で、これまでの機械学習と区別される。

深層学習プログラムは、音声認識や、消費者の行動予測といった、人間のようなタスクをこなせるようコンピュータを訓練する。コンピュータに大量のデータを与え、求められている結果がどのようなものかを教え込む。より多くのデータを与えれば与えるほどより良い処理を行うことができる。

プログラムは、計算方法を変更しながら、あるレベルの結果を導き出すための計算式を見つけだし、その計算式を想定した結果が出るまで繰り返し処理し続ける。

ここでいう「深い」とは、分析結果を導き出すために行われるデータ処理の回数のことであり、学習アルゴリズムがどのように複雑で階層的な方法で積み重ねられているかを表している。より多くの階層があれば、それだけ深く学習するということだ。

深層学習は膨大なデータを分析して、パターンを見つけ出し、トレンドや結果を予測することができる。消費者の行動、キャンペーンの成果、マーケティングの自動化、洗練された購入者分類、販売予測など、深層学習によって活用できる機能はマーケターにとって特に興味深いに違いない。

Appier はマイナビニュースに「知っておきたい! 仕事で使えるAI(人工知能)の基本とは?」をテーマとした連載を行っています。こちらもぜひお読みください。

オンラインでのカスタマーエンゲージメントを変革する4つのテクノロジー

ソーシャルメディアでのブランド情報の入手やカスタマーサービスの利用、購買活動が急速に一般化している。それにともなって企業は、パーソナライズされたメッセージで、消費者へのリーチと彼らとのやりとりの手法を常に変えていく必要がある。

ソーシャルメディアマーケティングのレベルを上げるために、次の4つのテクノロジーを活用しよう。

チャットボット:オンラインメッセージの送受信数管理、カスタマーサービスの迅速化

チャットボットは、企業での導入が急速に広がり、オーディエンスとつながれる新しい方法としてマーケターに利用されている。Gartnerによれば、顧客との関係構築を目的としたチャットボットの使用は2020年までにカスタマーサービス業務の25%に及ぶと予測されている。また、FacebookのMessengerで活発に利用されているボットは30万件以上と報告されている。

ブランド企業は、ソーシャルメディア全体から生成される膨大なカスタマーメッセージを管理し、生身の人間のような対応を行うために、ますますチャットボットを利用するようになっている。人工知能(AI)によって制御されるボットは、対話を繰り返すことで賢くなり、やがてマーケターのメッセージのパーソナライズにも利用できるようになる。また、チャットボットはカスタマーサービスの合理化と迅速化を促進するため、企業は日常の問い合わせを通じた苦情処理など、より重要性の高い問題に集中できるようになる。

AI搭載の予測エンジン:詳細なインサイトを得て、ターゲットの消費者をより明確にし、コンバージョン率を向上

AIを活用したオンラインエンゲージメントは、チャットボットにとどまらない。膨大なオンラインデータの分析、詳細なインサイトの獲得、オーディエンスの行動予測、ユーザーエンゲージメントの向上にAIを活用する企業が増えている。例えば、LinkedInの高度な機械学習アルゴリズムは、場所や職歴といった情報を基に就職希望者を評価しており、就職あっせんサービスの向上に役立っている。

マーケティングの分野では、企業はデータから導きだされるインサイトによってコンバージョンの可能性が高いオーディエンスを特定し、関連性の高いカスタマイズされたメッセージでターゲットを絞ったマーケティングを展開できる。例えば、マーケターは、AppierのデータインテリジェンスプラットフォームAixon(アイソン)を活用して、新たな消費者層の開拓とその行動予測、ターゲティング広告によるコンバージョン率の向上が可能になる。

先ごろメッセージングアプリLINEと統合したAixonは、それらの機能を拡充し、企業がLINE上の消費者行動に関する強力なAIによって分析・抽出されるインサイトを得て、それらの消費者にターゲットを絞り込んだメッセージをプッシュ通知できるようにした。例えば、ユーザーがあるEコマースサイトを訪問し、ドレスをカートに追加すると、数秒後にはその商品に関連するプッシュ通知がLINEアプリに送信される。

拡張現実(AR):売上増につながる有用かつ関連性の高い消費者体験の提供

2017年には拡張現実(Augmented Reality)がゲームやエンターテインメントの枠を超え、さまざまなソーシャルメディアでAR体験を提供するブランドが増えている。2020年までに1億人の消費者がARでショッピングをすると見込まれ、新たなAR機能と顔認識システムを搭載したApple iPhone Xの発売と相まって、ソーシャルプラットフォームがAR技術を取り入れる動きがいっそう活発になるだろう。

ARは、使いようによって顧客と企業の双方にメリットがある。例えば、IKEAのアプリでは、家具を買う前に顧客が自宅のインテリアのコーディネートをバーチャルで確認でき、情報に基づくより良い選択を行うことができる。その一方で、ブランドは顧客の暮らしに合った商品を具体的に示すことでコンバージョン率と売上を伸ばすことができる。

ロレアルは、メイクアップシミュレーションアプリModiFace ARを買収し、オンラインセールスの向上を見込んでいる。ユーザーは、顔認識システムとAR技術を利用して、製品を購入する前にアプリでメイクアップのシミュレーションを行うことができる。Snapchatのシンプルなフェイスフィルターも最先端の広告手段として注目されている。

ソーシャルリスニングツール:消費者の声を収集し、コンテンツを適切にカスタマイズ

多くの企業が顧客や仲間同士がオンライン上で交わす会話の重要性を認識するようになり、ソーシャルリスニングツールの人気が高まっている。このツールによって、世間の声に耳を傾けることができ、異なるソーシャルチャネルを通じて消費者の会話に入り込める。そうした会話から生成される膨大なデータは、消費者のニーズや好みに関するインサイトが埋蔵されている金鉱脈のようなものである。

マーケターはAI機能を利用してキーワードやフレーズを特定し、消費者の属性や関心のみならず、人気のアイテムと関連する旬の話題を把握することによって、カスタマージャーニー全体で顧客の考えをより良く理解できるようになる。マーケターはそれらのインサイトを活用し、消費者の共感を生むコンテンツの作成や、必要とされるソリューションの提供を行い、消費者の生活において関連性の高い存在になることができる。

上記のテクノロジーによって、企業は多種多様で膨大な情報に基づいて精度の高い意思決定を行い、消費者へ効果的にリーチすることでターゲットを絞り込むことができる。カスタマイズされたマーケティングの時代において、常に消費者の目を引く、彼らにとって近い関係性を持つ存在になるために、これらのテクノロジーを活用することが有効だろう。

GDPR(EU一般データ保護規則)に関するよくある質問と回答

QGDPRとは何ですか?

一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)とは、EU議会が定めたデータの収集、保管、使用の要件に関する新たな法律です。

GDPRは、1995年から適用されたEUデータ保護指令(Data Protection Directive 95:DPD)に代わるもので、EUの人々の個人データの保護を大幅に強化し、個人データを収集または処理する組織に対する義務を強化するものです。

 QGDPRはいつ施行されますか?

GDPRは、2018年5月25日から完全に施行されます。

 QGDPRにより影響を受ける範囲は

GDPRはEUの法律ですが、GDPRの地理的範囲は非常に広く、特定のケースではEU以外の企業にも適用される可能性があります。EU域内で製品を販売し、EUの人々の行動をモニタリングする企業は、GDPRの順守が求められます。

QGDPRにおける個人データとは何を指しますか?

個人を直接的または間接的に特定する目的で使用される自然人(GDPRでは「データ主体」と定義される)に関するあらゆる情報を指します。氏名、写真、電子メールアドレス、銀行口座情報、SNSサイトの投稿、医療情報のほか、コンピューターのIPアドレスも含まれます。

QAppierGDPRの施行に向けてどのように備えていますか

当社は、データ主体のプライバシーを尊重し、一連のプライバシー保護規則の順守を徹底しています。2018年5月に施行されるGDPRをはじめとするEUデータ保護法の要件も順守しています。

当社は、データ主体から当社が収集するデータの取り扱いに関して、Privacy Policyを厳守しています。

QGDPRの詳細な情報はどこに載っていますか?

詳細は、GDPR公式ウェブサイト をご覧ください。

あなたはフォロワーのことをどの程度把握していますか? ~AIとLINEの連携が実現する、パーソナライズされたメッセージの配信~

執筆者:Appier ジャパン ESSチーム

Appierは、2018年4月、AI搭載のデータインテリジェンスプラットフォーム「AIXON(以下、アイソン)」とLINEビジネスコネクトとの連携を発表しました。これによりLINEビジネスコネクトの導入企業は、公式アカウントのフォロワー(友だち)に対して、趣味嗜好をユーザーレベルで把握することができるようになりました。また、趣味嗜好情報を活用したフォロワーのセグメント機能と、シームレスなメッセージ配信機能もあわせて提供します。

「LINE ビジネスコネクト」の導入企業が、「アイソン」を使って抽出したオーディエンスにメッセージを送信する操作画面

LINEビジネスコネクトとは

LINE ビジネスコネクトとは、LINEが提供するAPIと企業のシステムを連携させることで、パーソナライズされたメッセージの送信や企業とユーザーの双方向のコミュニケーション、LINE上で企業サービスの提供を実現することができるサービスです。

マーケティング上の課題

LINEは全世界で2億1,700万人以上(2018年3月実績)に登る人々に利用されている人気のメッセージングアプリであり、LINEアプリに直接メッセージ配信出来ることは非常に効率の良いマーケティングソリューションといえます。しかし、スタンプ配布等で獲得したフォロワーへのメッセージ配信の配信先や内容、頻度、タイミングによっては、多くのフォロワーにブロックされてしまうケースがあります。結果、想定ほどそのプロモーションの成果を得ることができない企業も出てきます。

Appierの提案

Appierではメッセージがブロックされる理由について、フォロワーの関心に合致していないメッセージの配信に一因があると考えています。この状況を打破するための一つの方法として、企業はフォロワーの行動特性や嗜好を理解し、それらに基づくパーソナライズされたメッセージを配信することが求められています。

アイソンは、企業が自社のサービスを通じて収集したモバイルの識別データやCookieをLINEオフィシャルアカウントのフォロワーデータと統合します。さらにこのデータセットをAppierが独自に構築したCrossX AIデータベースと連携させることで、フォロワーの趣味嗜好をユーザー個人のレベルで、把握することができます。例えば旅行先としてどこを検討しているのか、サッカーファンがどのチームをサポートしているのかといった、具体的な情報です。

このデータを元に「友だち」をセグメント化し、パーソナライズされたメッセージをタイミングよく配信することで、これまでよりも高いメッセージ開封率とリンクのクリック率を実現し、効率的なサイト誘導などが期待できます。たとえば、海外ツアーを販売する旅行代理店では、この連携機能を使い、ヤンキースとニューヨーク旅行に関心をもつ50歳代のフォロワーを見つけ、メジャーリーグ観戦ツアーのDMを配信する、キャンペーンに誘導するといったことが可能になります。

アイソンならマーケター自身がターゲットオーディエンスデータの抽出、セグメントから、メッセージ配信が可能に

Appierは、アイソンにマーケターがオーディエンスの予測・抽出の必要条件である「コンバージョン予測ブレイン」の他、7種類の分析軸(ブレイン)を搭載しています。

マーケターは、自社の施策、保有するデータセットの状況に応じて、単一もしくは複数のブレインを選択すれば、容易に施策に適したオーディエンスを抽出することができます。アイソンは、オーディエンス分析、抽出における理由を提示する機能があるため、マーケターは、データサイエンティストやエンジニアといったデータの専門家の助けがなくても、利用するデータセットやブレインの組み合わせを通して施策の「勝ちパターン」を見つけることができます。一方でアイソンのAIはデータを学習し、データベースを更新し続けるため、分析・抽出の精度が上がります。セグメントの精度が向上すれば、一人当たりにかけるマーケテイング費用対効果が上がるため、効率的にマーケティング施策が回せるようになります。

Appierは、LINEビジネスコネクトの導入企業には、アイソンによる精度の高いオーディエンスセグメンテーションの利用し、高いユーザーエンゲージメントを体験していただきたいと考えています。

*アイソンの機能や導入に関してご質問がありましたら、ページ右上の「お問い合わせ」をクリックし、問い合わせフォームにご記入下さい。

日本および韓国におけるエンタープライズソリューションセールスのSVPとしてジョシュ・ショーゼンを迎えました

執筆者:ジュンデ・ユー 最高ビジネス責任者 (CBO)

Appier は、5月7日付で日本および韓国におけるエンタープライズソリューションセールスのSVPとしてジョシュ・ショーゼン(性全)を迎えました。

性全は、Adobe、Proscape Technologies、Microsoftといった世界的なIT企業での日本やアジア地域における企業向けソフトウエアセールスおよびデジタルマーケティング分野の15年以上の経験があり、この経験をAppierでも生かしてくれると思います。彼はAppier入社前にはスマートビデオプラットフォームの開発企業、SundaySky Japanのカントリーマネジャーとして、金融機関や自動車メーカーとの戦略的パートナーエコシステムの構築に尽力しました。

Appierでは、日本と韓国のチームを統括し、2017年7月に提供を開始したAI搭載のデータインテリジェンスプラットフォームである「Aixon (アイソン)」のビジネスの強化・拡大に携わります。アイソンは、日本有数の不動産データサービス企業のLIFULLを含む日本、およびアジア地域の企業10社以上に導入され、お客様のデジタルマーケティングキャンペーンに革新をもたらしています。

今年4月にはLINEビジネスコネクトと連携するなど、アイソンの技術および機能を継続的に強化する一方、日本・韓国でマーケティングプラットフォームとデータインテリジェンスプラットフォームの両面でもビジネスを開拓していきます。特に韓国はEコマースの60~70%がモバイルデバイスを通じて行われている潜在力の高い市場であり、ショーゼンが私たちのチームメンバーになることで、Appierの日本および韓国でのビジネスが加速することを目指しています。

性全は、米国ワシントン大学を卒業後、ソリューションセールススペシャリストとしてMicrosoft社に入社し、2003年、同社グローバルアカウント部門の日本担当地域ビジネスマネジャーとして東京に異動しました。Proscape Tecnologiesで日本およびアジア太平洋地域担当のVPを務めた後、Adobe Japanにデジタルマーケティングソリューション部エンタープライズセールスのデイレクターとして2012年に入社しました。

彼は、サーフィンを始めとする様々なウォータースポーツが得意です。休日には日本や彼の第二の故郷であるハワイで、家族や友人とアウトドアのアクティビティをして過ごしています。

執筆者:ジュンデー・ユー、CBO

AppierのAI搭載のデータ・インテリジェンス・プラットフォーム「アイソン(AIXON)」を含む事業を統括しています。Appier入社以前は、アプリに関する市場データと分析ツールを提供するApp Annie社のアジア太平洋最高業務責任者を務めました。インターネット分野のスタートアップ企業で10年以上の経験を持ち、App Annieの同地域におけるセールスの第一人者として事業展開を大いに貢献しました。

 

なぜ企業は消費者の購買意思決定プロセスの理解が必要なのか?

執筆者:ファブリッツィオ・カルーソ、最高売上責任者(CRO)、Appier

マスマーケティングの時代であった70年代や80年代、消費者にリーチすることは、今よりもはるかに容易でした。現代の消費者は、複数の携帯端末(デバイス)を利用している分、関心が細分化され、情報過多ともいえる状態では買い物の意思決定は複雑にならざるを得ません。

多くの情報に接触している現代の消費者は、毎日多くの時間を複数のデバイスに費やしています。アジアの複数のデバイスを保有するユーザーは、半数以上(51%)が2台以上、そのうち、4分の1(26%)以上が4台以上のデバイスを使用しています。そのため、マーケターが、消費者の購買意思決定に影響を与えるポイント(タッチポイント)で消費者にリーチしたいなら、従来とは異なる手法を使う必要があります。

過去、消費者へのタッチポイントの多くは、テレビのコマーシャルや新聞の広告でした。マーケターにとっては単純なアプローチでしたが、マーケティングの選択肢という意味では限られたものでした。今は複数のデバイスを通じてリーチしなければならず、手法の複雑化は進んでいますが、広告主は複数のタッチポイントで購買意思決定に影響を与えることができるため、チャンスは増えているのです。

デバイス間トラッキングが難しい理由

Appierは消費者に効果的にリーチするには、デバイスを横断したキャンペーンを最適化することが不可欠だと考えています。その際、企業は以下の2つの点に留意しなければなりません。

  1. 同一の消費者が複数のデバイスを所有していることが当たり前になっていることから、デバイス中心のアプローチから消費者中心のアプローチに切り替えること。
  2. 消費者が好むチャネル、購買意思決定が好んで行われるタッチポイントを知ること。これには、購入を悩んでいる段階、購買にむけて調査や評価をしている段階、購入段階が含まれます。

さらに、自社のマーケティングを成功させるために、以下の4点を確認するべきです。

  1. どのくらいの情報がデバイス間でクロスオーバーしているのか?
  2. ブランドに対してアクションを起こさせるために最適なエンゲージメントを、最適な頻度で実現するには?
  3. 過剰な費用の投下もしくはブランドイメージの低下をもたらしていないか?
  4. 集客ファネルの間口を広げるために最適なデバイスは?ダイレクトレスポンスマーケティングに最適なデバイスは?

AI(人工知能)を使えば、広告を見たユーザー数、場所、デバイスの種類、デバイス間コンバージョン経路といった情報を収集し、それを分析することにより、ユーザーに関する制度の高いインサイトを獲得できます。こうしたインサイトは、広告をクリックする直前に使用された最後のデバイスだけでなく、消費者の購買意思決定プロセス全体で各デバイスが果たす役割の把握に有効です。広告主は各デバイスを通じて発信される自社のブランド資産を最適化し、クリックスルー、エンゲージメント、コンバージョンなど、ROIの最大化が可能です。

より多くのオンライン購入を実現するために

世界的な小売企業であるカルフール(Carrefour)は、オンラインストアの開始に伴って、より多くの潜在顧客にリーチする手法を探していました。同社のマーケティングチームは顧客獲得単価(CPA)を最適化しつつ、自社の認知度を高め、より多くのオンライン購入につなげたいと考えていました。

Carrefourは、AppierのAI技術を活用したことで、同一のユーザーが所有している全デバイスを何十億というデータポイントから特定することができました。たとえば、潜在的な購入者がラップトップPCでCarrefourのオンラインストアを訪問すると、Appierは、その人物のプロフィールを分析し、嗜好に合致した製品情報を同一の人物が所有している他のデバイス(スマートフォン)に表示させることで、Carrefourのオンラインストアでの購入を促進しました。

AppierのAIは、ウェブサイトの中と外の両方でユーザー動向を分析し、単一のユーザーに関する行動を判定するだけでなく、その人物と類似したユーザーグループを抽出することが可能です。Appier CrossXデータベースによるオーディエンスデータ比較やマルチ次元分析は、類似する顧客分類の中から潜在顧客を特定し、広告主のマーケティング施策に最適なユーザーベースを構築できます。

Carrefourは、Appierとのパートナーシップのもと、単一のデバイスを持つユーザーと比較して、複数のデバイスを保有するユーザーのクリックスルー率(CTR)を87%、コンバージョン率(CVR)を40%向上させることができました。

アプリ登録者の拡大につなげるには

人気のマッチングアプリであるパクトル(Paktor)は、AppierのAIを活用することで、アプリ内のチュートリアルを最適化し、より多くのユーザー登録数を獲得することができました。AppierのAI技術は、数十億のデータポイントからクロスデバイス動向と「多くの人との交流」や「新しい出会い」というユーザーの興味を素早く特定することが可能です。

潜在的な購入者がPaktorのアプリをダウンロードすると、クロスデバイスアプローチにより、「多くの人との交流」や「新しい出会い」に関連する情報を同一のユーザーが所有する全デバイスでリマーケットします。これにより、Paktorブランドの印象を深め、VIPメンバーになるモチベーションを促すことができます。

ブランドセーフティに関する懸念

オンライン広告が自社のブランドに悪影響を与えるような状況で表示されることを危惧している企業が少なくありません。ブランドセーフティ(広告掲載先の品質確保による広告主ブランドの安全性)は、顧客へのリーチやエンゲージメントに加え、デジタルマーケティングの懸念材料の1つです。

ブランドセーフティには、さまざまな要素がありますが、特に、オンライン広告のインプレッション数、クリック数、コンバージョン率を不正に操作して利益を発生させようとする広告詐欺(アドフラウド)が問題になっています。AIは、こうしたアドフラウドを撃退し、ブランドセーフティを確保することができます。Appierの調査によると、AIによる不正検出モデルは、従来のルールベースと比較した場合、2倍の不正行為を特定することが可能です。

最後に

消費者の購買意思決定プロセスが劇的に変わりつつあります。マーケターは適切なアプローチをとることで、適切なデバイスを通じて適切なタイミングで顧客にリーチすることができるようになります。皆さんの会社のデバイス横断によるキャンペーンは、どのように最適化されていますか?クリックスルーやコンバージョンを増やす方法、ブランドセーフティ対策にお困りなら、Appierにお問い合わせください。

著者について

ファブリッツィオ・カルーソは、Appier のチーフレベニューオフィサーとして、Appierの顧客である広告主企業や広告代理店パートナーの成功に導くため、セールスチームを統括しています。

デジタル、モバイル業界で15年以上の経験を持ち、アジア地域で有数のブランド企業、広告代理店、モバイルオペレータ、出版社との強いパートナーシップを構築してきました。カルーソはモバイルペイメント、モバイル・インターネットコンテント、モバイル広告業界においてマネジメント、プランニング、マーケティングに豊富な経験を有します。ワイヤレスおよびインターネット技術に造詣が深く、数々の講演や寄稿を行っています。Appier に入社前は、モバイルインターネット、モバイル広告をリードするOpera Software 社にてアジア地域担当シニアバイスプレジデントを務めました。それ以前にはOut There Media社でアジア太平洋地域担当マネジメントディレクタ兼ビジネスデベロップメント担当バイスプレジデントを務め、Buongiorno and Amdocs社のシニアマネジメント職を歴任しました。 カルーソは、イタリアのカターニア大学でコンピューターサイエンス工学の修士号を取得しました。